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眼には見えても、遠い場所

エディターズブログ 2016.10.28 (金) 12:58 PM

 

 8月の末に事務所を移転してから、早2か月が過ぎ、様変わりした風景にすっかり慣れてしまった自分がいるのを、しみじみと実感しています。

 

 苦楽を共にした前の事務所に対する感傷よりも、引っ越し作業の慌ただしさのほうが先に立って、作業が終わってしまうと、翌日からはもう日常の業務へと舞い戻り、過去を振り返る余裕はなくなってしまいます。

 

 最寄り駅から事務所に至るまでの道が、以前とは変わってしまっても、それに対して違和感なく溶け込んでいく自分がいます。

 道を間違えてしまうことも、驚くぐらいに、ほとんどありません。

 

 移動時間に、特に意図しないまま、以前の事務所の前を横切ることがあります。

 見慣れた(半分は「住み慣れた」という感覚に近い)場所が、遠いものに感じられます。視界に広がっていても、すぐそばにあっても、もう足を踏み入れることのない世界。それがとても、不思議なことに感じられます。

 

 自分が初めて「仕事」と呼ばれる何かをした、その第一歩から今に至るまでの場所、その一つひとつを、どれだけ記憶にとどめているのか、そう自分に問いかけてみます。

 その記憶だけが、今の自分と離れていった場所を結び付ける「よすが」になっていて、自身の辿ってきた足跡が少しははっきりとしてくるような、そんな気がしています。

 

(編集部A)