
2022.06.23 更新
混沌としたミライを渡っていくための、本という名のチケット。
本の種出版・新レーベル『ミライのパスポ』、はじめます。
これから先の未来をどのように生きていけばいいのか、
明確な針路が見えにくくなっている今。
1人の著者の手になる1冊の本を通じて、その生き方や考え方が、
読む人にとって自分自身の歩みを、社会の行く先を見通すヒントになるような、
思考の〈よすが〉になるレーベルを刊行することを決めました。
根底にあるのは、
「人の数だけ、思い描いている生き方や、社会のあり方がある」という思いです。
このレーベルでは、こうでなければならない、
こうしなければいけないという「常識」から、
ちょっとだけ距離を置いてみたいと思います。
答えを明示することを目的とするのではなく、
レーベルの1冊1冊を通じて、読む人が今を生きるための最適解を探していける、
そんな旅の伴走者になることをめざしています。
声高に何かを主張するのではなく、
何かしらのコア=「核」をもつ著者だからこそ伝えることのできる、
そんな本を届けていきます。
◆本の紹介◆
レーベルの第1弾として贈るのは、
発達障害(自閉スペクトラム症)の当事者であり、心理士:支援者でもある、
島根県を拠点に活動する難波寿和(なんば ひさかず)さんの単著です。
30歳で自閉スペクトラム症と診断され、うつ病の当事者ともなった難波さんは、
自らの過去と現在を、時にシリアスに、時に軽妙な語り口を交えて描き出します。
そこに映し出されているのは、「あり得ないことがあり得る」発達障害特有の世界。
幼少期から学生時代を経て、心理士として働くようになる過程で直面した数々の困難。
そして、絶望と再起の先に見いだした「当事者としてのボクと支援者としてのボク」。
ふたつの立場を生きる人間だからこそ抱いている〈信念〉に基づき、
発達障害の世界と、生きづらさを生きやすさに変える術を伝える、
清冽な自叙伝です。
◯著者 難波寿和
◯定価 1,870円(本体1,700円+税)
◯ページ数 256ページ
◯判型 四六判
◯製本 並製
◯発売日 2019年12月16日
◯ISBNコード 978-4-907582-20-3
◯Cコード 0036
◯もくじ
はじめに
第1章 生きやすく生きられない―発達障害と診断されるまで
ボクの世界について
Ⅰ パニックの世界
Ⅱ 見通しのなさと不安の世界
Ⅲ 多動・不注意・衝動性の世界
Ⅳ 感覚の世界
こんな大人が、できちゃいました
第2章 当事者であり支援者―ふたつの立場で働く
診断が下りてから、再び働き始めるまで
ふたつの立場をもつ支援者として
支援者として使っている手法
第3章 ボクの生きやすさ改善術・障害受容―オモロイ世界に向けて
ボク的生きやすさとは
ストレス対処編
社会スキル編
不注意・衝動性の対策
自己努力もしつつ他者援助に頼る
第4章 あなたへの手紙―全ては当事者のために
パニックの世界にいるあなたへ
見通しのなさと不安の世界にいるあなたへ
多動・不注意・衝動性の世界にいるあなたへ
感覚の世界にいるあなたへ
あなたへ伝えたいこと
当事者からのメッセージ
ボクからのメッセージ
おわりに――「ありがとう」をあなたに
●著者紹介
1982年岡山県生まれ。兵庫教育大学大学院・学校教育研究科障害児教育専攻を修了後、福祉施設で心理士として勤務。2012年に自閉スペクトラム症と社交不安障害、その後、うつ病と診断され休職。心理士という専門職として働き続けていくために、自身の障害や疾患を開示したうえで周囲のサポートを受けながら、島根県を拠点に療育やカウンセリング、家族支援に携わっている。「発達障害児者支援サービススモステABA」代表、「山陰発達障害当事者会スモステの会」代表。全国各地での講演活動にも努める。2016年に初の単著『14歳からの発達障害サバイバルブック 発達障害者&支援者として伝えたいこと』(学苑社)を刊行。2022年7月、3冊目の単著となる『自分自身に贈るギフト(強み)の見つけ方―14歳からの発達障害サバイバルブックPart2』(学苑社)を刊行。
●イラストレーター紹介
本書の装画と本文イラストを制作。解離性同一性障害と双極性障害の当事者であり、「心理とおとぎ話」をテーマに漫画・水彩画を描く。2018年に初の単著となるコミックエッセイ『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』(合同出版)を刊行。2021年公開の『おしえて北斎! -THE ANIMATION-』では美術監督・背景を手掛ける。
▽『こちら、発達障害の世界より』について、
本書冒頭の1~23ページ(PDF)をウェブサイト上に公開しました。
下記の画像をクリックすると、サンプルページに飛びます。
▽朝日新聞・島根版に定期掲載されていた、難波さんのコラム「元気力」。
◆メディア掲載情報◆
▽発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」の
BOOKガイド(今月のBOOK/2020年1月21日付)で紹介されました。
ユーザーの声をもとにつくられた本や先輩ママ、弁護士の著書など
▽山陰中央新報の本紙とウェブサイトで紹介されました。
(本紙では2020年1月29日の地域23面)
(ウェブサイトでは「山陰のニュース」→「島根ワイド」/2020年1月29日付で公開)
生きづらさ和らげたい 発達障害の心理士が自叙伝出版
▽朝日新聞の本紙と医療サイト「アピタル」で紹介されました。
(本紙では2020年2月1日の山陰版19面)
(アピタルでは2020年2月1日付で公開)
▽発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」の連載、
「すてきなミドルエイジを目指して」第4回に、
難波さんのインタビューが掲載されました(2020年12月20日付で公開)。
ASD当事者であり支援者。自身の特性をオープンに「生きやすく生きる」を支援
▽2021年8月に刊行された、
(ASD発達支援アドバイザー・Shizu 著/KADOKAWA 刊行)で、本書が紹介されました。
▽和歌山県立きのくに青雲高校・通信制課程の『校報 陵雲』令和3年度10月号で、
本書が読書週間の1冊として紹介されました。