こちら、発達障害の世界より―生きやすく生きることを求めて
著者 | 難波寿和 著 |
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定価 | 1,870円(本体1,700円+税) |
ページ数 | 256ページ |
判型 | 四六判 |
製本 | 並製 |
発売日 | 2019年12月16日 |
ISBN コード |
978-4-907582-20-3 |
内容紹介
混沌としたミライを渡っていくための、本という名のチケット。新レーベル『ミライのパスポ』第1弾!
小さい頃から、言葉はへたくそで、乱暴で、怒りやすくて、泣きやすかった。分かっていても、自分の行動を止めることができなかった。ボクは現実から逃れるために、小学校卒業と同時に記憶を封じ込め、全てを忘れることにした。
そして大人になり、発達障害者を支援する心理士として働き始めていくうちに、何もかもがうまくいかなくなる。発達障害の診断を受け、うつ病の当事者ともなって休職したとき、ボクは、閉じた記憶のパンドラの箱を開いて、過去の自分と向き合うことを決めた――。
自閉スペクトラム症の当事者であり、子どもから大人までの療育とカウンセリングに携わる支援者。ふたつの立場をもつ1人の人間としての〈信念〉に基づき、時にシリアスに、時に軽妙に、「あり得ないことがあり得る」発達障害特有の世界を伝える、清冽な自叙伝。生きづらさを抱える全ての人が「生きやすく生きられる」ための道を描き出す。
目次
はじめに
第1章 生きやすく生きられない―発達障害と診断されるまで
ボクの世界について
Ⅰ パニックの世界
Ⅱ 見通しのなさと不安の世界
Ⅲ 多動・不注意・衝動性の世界
Ⅳ 感覚の世界
こんな大人が、できちゃいました
第2章 当事者であり支援者―ふたつの立場で働く
診断が下りてから、再び働き始めるまで
ふたつの立場をもつ支援者として
支援者として使っている手法
第3章 ボクの生きやすさ改善術・障害受容―オモロイ世界に向けて
ボク的生きやすさとは
ストレス対処編
社会スキル編
不注意・衝動性の対策
自己努力もしつつ他者援助に頼る
第4章 あなたへの手紙―全ては当事者のために
パニックの世界にいるあなたへ
見通しのなさと不安の世界にいるあなたへ
多動・不注意・衝動性の世界にいるあなたへ
感覚の世界にいるあなたへ
あなたへ伝えたいこと
当事者からのメッセージ
ボクからのメッセージ
おわりに――「ありがとう」をあなたに
著者紹介
難波 寿和(なんば ひさかず)
1982年岡山県生まれ。兵庫教育大学大学院・学校教育研究科障害児教育専攻を修了後、福祉施設で心理士として勤務。2012年に自閉スペクトラム症と社交不安障害、その後、うつ病と診断され休職。心理士という専門職として働き続けていくために、自身の障害や疾患を開示したうえで周囲のサポートを受けながら、島根県を拠点に療育やカウンセリング、家族支援に携わっている。
「発達障害児者支援サービススモステABA」代表、「山陰発達障害当事者会スモステの会」代表。全国各地での講演活動にも努める。2016年に初の単著『14歳からの発達障害サバイバルブック 発達障害者&支援者として伝えたいこと』(学苑社)を刊行。
イラストレーター紹介
Tokin(トキン)
解離性同一性障害と双極性障害の当事者であり、「心理とおとぎ話」をテーマに漫画・水彩画を描く。2018年に初の単著となるコミックエッセイ『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』(合同出版)を刊行。本書の装画と本文イラストを制作。
ブックデザイン
小川純(オガワデザイン)
印刷
モリモト印刷