
2023.01.09 更新
混沌としたミライを渡っていくための、本という名のチケット。
本の種レーベル『ミライのパスポ』、第2弾を贈ります。
「人の数だけ、思い描いている生き方や、社会のあり方がある」
このレーベルに名を連ねる人たちは、何かの「先生」ではありません。
ありきたりのサクセスストーリーはなくて、
ただ一心に自分の選んだ道を、迷いながらも進んできた人ばかり。
そして、まだ、人生という長い長い旅程の途中に、佇んでいます。
示したいのは、誰もが気づいているようで気づいていない、そんな生き方や考え方。
こうでなければならない、こうしなければならない、
という「常識」のフィルターを外して歩き出すと、
思ったよりも世界が広く、大きく見えてくるかもしれません。
その先に待っているのは、なんでもできる/なんでもやっていい、
という自由とも異なる、自分にとっての最適解を探していく、
旅のようなものではないでしょうか。
ただ、主義・主張を訴えるのではなく、
何かしらのコア=「核」をもつ著者たちが贈る、
今を生きるためのヒントが散りばめられた、そんなレーベルをめざしていきます。
◆本の紹介◆
そんな「創刊の言葉」を記して、レーベル第1弾となる難波寿和さんの単著『こちら、発達障害の世界より―生きやすく生きることを求めて』を2019年12月に上梓しました。
未来を担う世代に向けて、今だからこそ届けられる本を、より近い世代の著者たちが贈るメッセージとして届けたい。
そんな想いから始まった『ミライのパスポ』の第2弾を2020年4月に刊行します。
2010年代から登場した新しい形の本屋を代表するひとりである、東京・赤坂の選書専門書店「双子のライオン堂」の店主・竹田信弥さんの単著です。
赤坂という一等地の表通りを少しだけ離れた場所に佇む、四六判サイズの本に見立てた扉。それが双子のライオン堂の入口です。
ギャラリー兼イベントスペースを併設したお店は、竹田さんが自らお声がけした小説家・批評家・歌人・俳人・編集者などの選書を中心に棚がつくられています。
そして、双子のライオン堂が他の本屋と異なるのは、物件を購入した店舗であること。思い切った決断をしている一方で、お店を開けているのは毎週水曜から土曜の週4日、15時からの数時間に限られています。
全国に増え始めている、新しい本屋の先駆者とも言える竹田さんは、複数の副業をこなすことで、本屋の収益だけに頼らず自分のお店を100年先まで残すという、逆転の発想で運営を続けています。
こうしてみると、誰にも真似できない斬新な発想と野心で走り続けている人、というイメージをもってしまいますが、竹田さんという個人そのものに焦点を当てると、また違う一面が見えてきます。
そこにあるのは、ひとりの青年としての人間くささであったり、誰しもがどこかで感じたことのある迷いや悩み。そんなパーソナルな側面を「めんどくさい」というタイトルに包み込みました。
竹田さんのような生き方・在り方が広がっていくことで、「こんなふうにも生きられるんだ」と受け止められる次の世代が増えていくことには、大きな意味があると思っています。
だからこそこの本は、これまでのどの「本屋さんの本」とも異なる、本屋を続けるためにがむしゃらに生きる青年の真っ直ぐなメッセージとして受け止めてもらえたら、と思っています。
【書誌情報】
めんどくさい本屋―100年先まで続ける道
◯著者 竹田信弥
◯定価 1,870円(本体1,700円+税)
◯ページ数 244ページ
◯判型 四六判
◯製本 並製
◯発売日 2020年4月20日
◯ISBNコード 978-4-907582-21-0
◯Cコード 0095
【もくじ】
はじめに
双子のライオン堂宣言
双子のライオン堂について
第0章 双子のライオン堂と店主の日常―ある1週間の動き
第1章 気がつけば本屋をやっていた
1 閉塞感からの脱出
2 出会い
3 双子のライオン堂、開業
4 水面下のネット古書店
幕間―いつも「外側」にいる自分① 小学生と死生観
第2章 2足・3足・4足の草鞋を履く男
1 「就活」混沌記
2 会社員の自分、ネット古書店主の自分
3 本屋として生きるために
4 いざ、選書専門のリアル店舗へ
幕間―いつも「外側」にいる自分② 普通でいたい、でも真っ直ぐな道から外れてしまう
第3章 100年続ける本屋の現在地
1 リアル店舗で見つけたもの
2 白山からの旅立ち
3 赤坂で物件を買う
4 赤坂店での4年間
幕間―いつも「外側」にいる自分③ 家族という存在、友人という存在
座談会:双子のライオン堂の読書会 誰のための本屋? なんのための本屋?
(竹田信弥×田中佳祐×松井祐輔×中村圭佑)前編
第1部 店主との出会い
第2部 『しししし』の過去と未来
第4章 この場所に集まる人たちと
1 お客様と話すこと
2 常連さんと悩める人たち
3 店番のひとりごと
4 イベントの日
幕間―いつも「外側」にいる自分④ 落ち着きのなさと、身軽さと
座談会:双子のライオン堂の読書会 後編
第3部 ライオン堂の今を考える
第4部 ライオン堂の未来に向けて
第5章 双子のライオン堂の「外側」から
1 伝えることの役割
2 本屋の未来に必要なこと
3 生き残るために必要なこと
4 双子のライオン堂の未来、ぼくのミライ
おわりに
【著者紹介】
竹田 信弥(たけだ しんや)
1986年東京都生まれ。双子のライオン堂・店主。高校2年時にネット古書店を開業し、2004年5月に双子のライオン堂へリニューアル。大学卒業後はベンチャー企業勤務などを経て、2013年4月、東京都文京区白山にリアル店舗をオープン。2015年10月に東京都港区赤坂に移転した。「ほんとの出合い」「100年残る本と本屋」を同店のコンセプトに掲げ、店舗運営のかたわら、読書推進活動などにも携わっている。2019年、雷鳥社より刊行された『街灯りとしての本屋』の構成を担当。2021年、田中佳祐さんとの共著『読書会の教室』を晶文社より刊行。
【装画】
1974年東京都生まれ。広島在住。漫画家。主な作品に『凹村戦争』『世界の終わりの魔法使い』『すべてがちょっとずつ優しい世界』『ディエンビエンフー』『ディエンビエンフー TRUE END』など。キャラクターデザイナー、イラストレーター、現代美術作家、音楽家としても活動する。2017年から2018年にかけて、双子のライオン堂より『アオザイ通信完全版』第1巻から第3巻を刊行。同じく双子のライオン堂より、2020年12月に非漫画本である『電子と暮らし』を上梓。
【本文イラスト】
漫画家・イラストレーター。2014年、「バウテンダー」でビッグコミックオリジナル(小学館)の第1回オリジナル新作賞大賞を受賞し、デビュー。ビッグコミックオリジナル増刊号に連載された『君の大声を聞いたことがない』第1巻を2018年に、第2巻を2020年に、第3巻を2021年に刊行。ビッグコミックオリジナルに連載された『世界は半分になった』第1巻を2020年に、第2巻・第3巻を2021年に上梓。
【ブックデザイン】
書籍を中心としたデザイナー。双子のライオン堂より刊行されている『アオザイ通信完全版』『電子と暮らし』、晶文社より刊行されている『読書会の教室』のブックデザインを手掛ける。本の種出版『ミライのパスポ』シリーズでは、各種デザインフォーマット、ロゴ制作を担う。
■本書の試し読み■
下記画像をクリックすると、本書冒頭の1~21ページを読めるPDFが開きます。
■twitter上のモーメント・bot■
▽書店訪問の記録(どのコーナー・棚に置かれているか)
▽全国の書店・本屋さんのツイート
▽本書の感想など、さまざまな「声」
▽何が流れて来るかは、お楽しみ
■『めんどくさい本屋』のポストカード■
『めんどくさい本屋』のポストカードサイズのPOPを作りました。
下記画像をクリックすると、PDFが開きます。
◆メディア掲載情報◆
▽2020年6月13日(土)の東京新聞/6月14日(日)の中日新聞に書評掲載。
評者:井の頭線沿いにある街の本屋「サンブックス浜田山」店長・木村晃さん↓↓↓
▽書評専門誌『週刊読書人』2020年6月26日号の「出版メモ」に紹介記事が掲載。
▽2020年7月11日(土)の毎日新聞「今週の本棚」〈話題の本〉コーナーで紹介。
評者:文芸評論家の仲俣暁生さん↓↓↓
▽2020年8月22日(土)発売の書評専門誌『図書新聞』3461号・8月29日号に書評掲載。
評者:文京区本駒込にある書店「BOOKS青いカバ」店主・小国貴司さん↓↓↓
―本屋というものは本質的には「暑苦しい」場所なのではないか?
▽『志段味図書館だより 2021年4月号』(名古屋市守山区)、
「今月の新着 注目の1冊!」で紹介されました。
同号はPDFで公開されています。ページはこちら
▽2021年9月30日(木)、書評サイト「ALL REVIEWS」に、
本書の編集担当者のコラムが掲載↓↓↓
◆オンラインショップ一覧◆
下記店名をクリックすると、ショップのページが開きます(五十音順)。
SUNNY BOY BOOKS(東京都目黒区鷹番)
七月堂古書部(東京都世田谷区豪徳寺)
Title(東京都杉並区桃井)
toi books(大阪府大阪市中央区久太郎町)
乃帆書房(秋田県秋田市大町)
ポルベニールブックストア(神奈川県鎌倉市大船)
本の轍(愛媛県松山市春日町)
本屋ロカンタン(東京都杉並区西荻南)
マルジナリア書店(東京都府中市片町)
rebel books(群馬県高崎市椿町)
◆連続オンラインイベント◆
2021年1月から2022年12月にかけて、
24回連続で『めんどくさい本屋』に関するオンラインイベントを実施しました。
連続イベントの特設サイトは⇒https://liondo.jp/?page_id=3147
(双子のライオン堂のウェブサイトに設けられています)
また、各回のアーカイブはYouTubeで公開しています。下記を御参考ください。
▽2021年1月28日、YouTubeにて、
竹田信弥さんと本書編集担当・秋葉貴章の対談を実施。
アーカイブはこちら。イベント後記『めんどくさい編集者の反省会』はこちら。
▽2021年2月25日、YouTubeにて、
デザイナー・中村圭佑さんをゲストに迎えた第2回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年3月27日、YouTubeにて、
水窓出版・高橋亮偉さんをゲストに迎えた、同社刊行『無職本』とのコラボによる、
第3回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年4月30日、YouTubeにて、
フリーライター・宮崎智之さんをゲストに迎えた、
『平熱のまま、この世界に熱狂したい』(幻冬舎)とのコラボによる、
第4回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
6月15日、イベントの様子を再構成した記事が幻冬舎plusで公開。
▽2021年5月28日、YouTubeにて、
本屋lighthouseの店主・関口竜平さんをゲストに迎えた、
第5回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年6月28日、YouTubeにて、
書評家・倉本さおりさんをゲストに迎えた、
第6回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年7月23日、YouTubeにて、
三輪舎・中岡祐介さんをゲストに迎えた、
第7回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年8月30日、YouTubeにて、
第8回オンラインイベントを実施(小説家の太田靖久さんが飛び入り参加)。
アーカイブはこちら。
▽2021年9月25日、YouTubeにて、
BOOKSHOP TRAVELLERの店主・和氣正幸さんをゲストに迎えた、
第9回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年10月29日、YouTubeにて、
ひなた文庫の店主・中尾恵美さんと中尾友治さんをゲストに迎えた、
第10回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年11月30日、YouTubeにて、
田中佳祐さんと中村圭佑さんをゲストに迎え、『しししし4』完成記念を兼ねた、
第11回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2021年12月18日、YouTubeにて、
書評家・長瀬海さんをゲストに迎えた、
第12回オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2022年1月27日、YouTubeにて、
作家・浅生鴨さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART1」オンラインイベントを実施。
アーカイブはこちら。
▽2022年2月25日、YouTubeにて、
toi booksの店主・磯上竜也さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART2」オンラインイベントを実施。
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▽2022年3月29日、YouTubeにて、
書肆 朝陽館の店主・荻原英記さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART3」オンラインイベントを実施。
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▽2022年4月25日、YouTubeにて、
よはく舎/マルジナリア書店の代表・小林えみさんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART4」オンラインイベントを実施。
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▽2022年5月28日、YouTubeにて、
出版レーベル「代わりに読む人」代表・友田とんさんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART5」オンラインイベントを実施。
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▽2022年6月30日、YouTubeにて、
《フリーランス書店員》久禮亮太さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART6」オンラインイベントを実施。
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▽2022年7月29日、YouTubeにて、
書肆 海と夕焼の店主・柳沼雄太さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART7」オンラインイベントを実施。
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▽2022年8月26日、YouTubeにて、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART8」オンラインイベントを実施。
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▽2022年9月30日、YouTubeにて、
小説家・太田靖久さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART9」オンラインイベントを実施。
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▽2022年10月26日、YouTubeにて、
敷島書房の店主・一條宣好さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART10」オンラインイベントを実施。
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▽2022年11月30日、YouTubeにて、
校正者の牟田都子さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART11」オンラインイベントを実施。
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▽2022年12月26日、YouTubeにて、
NENOiの店主・根井啓さん、
BREWBOOKSの店主・尾崎大輔さんをゲストに迎えた、
「めんどくさい本屋の寄り道 PART12」オンラインイベントを実施。
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